注文住宅における「契約」の特殊性
注文住宅における「契約」はかなり特殊なので注意が必要です。
契約は、本来はその内容が決まってから行うものです。
しかし注文住宅の場合は、内容が決まらないまま契約することになります。
間取りも外観も設備のグレードも、契約金額すら確定しない状態で契約することになります。
契約後に詳細を決めていき、最後に契約内容を確定して正式な契約金額が決まります。
通常、当初の契約時の見積額を上回るため、追加費用が発生します。
場合によっては、契約時の見積もりに比べて数百万から1000万くらい増額することもあります。
契約を早めるのはハウスメーカーの都合
本来は、間取りも仕様もすべて確定した後に正式に見積もりを出して、そのあと契約すれば、追加費用が高額になるという問題は発生しません。
しかし、ハウスメーカーがそれを嫌がります。
間取りを考えることも見積もりを出すこともコストが発生します。
最後の最後まで内容を詰めた挙句に、契約がとれなかった場合にすべてが無駄になります。
そのため、ハウスメーカー側は間取りの大枠も決まっていない早期の段階で契約を迫ってきます。
実際、私もダイワハウスの営業マンと2回会った段階、間取りも外観も何も決まっていない段階で「今月中に契約してください」と言われました。
客側には早く契約するメリットはない
客側には間取りも決まっていない段階で契約するメリットはあるでしょうか。
ないと思いいます。
いったん契約すると、契約解除するのにお金がかかってしまいます。
また、主要な点は決めておかないと、契約後に追加・変更した要素は当初の見積もりに入ってないものとして扱われるため、すべて別料金となります。
そのため、契約段階で決めて見積もりに入れておかないと、追加費用が多額になるおそれがあります。
契約は単に値引き額の確定にすぎない
契約後に追加・変更したらすべて追加工事として扱われ、別途費用が発生します。
しかし、契約時は具体的なことは決まっていません。
それなのに、契約後に変更したら、高額な費用が発生します。
契約前は営業マンは
間取りは契約後もいくらでも変更できますよ。
と言ってきます。
もちろん、変更は可能ですが費用は発生します。
代金は増加する一方です。減ることはありません。
契約後の追加工事について値引きは一切期待できません。
なぜなら、値引きは営業マンが契約をとる手段だからです。
契約後は、営業マンが値引きをする必要がなくなります。
もう契約は成立しているのです。客は契約を解除するのなら場合によっては数百万の違約金が発生するため、なかなか解約できません。
つまり、契約とは値引き額の【確定】なのです。
契約以後については基本的に値引きは期待できません。
契約後の追加・変更は言い値で追加するしかない、というのが通常です。
間取り、外観、設備、グレードを決めてから契約する
契約前にすべてを確定させることが理想ですが、事実上困難です。
しかし、完全な確定までいかなくても、主要な間取り、外観、キッチンなど設備、床や壁紙、外壁、屋根のグレード、太陽光や床暖房、エコキュートの有無などは大枠でも検討のうえ見積もりにいれて契約しなければなりません。
あとで不要と思えば、見積もりからなくせばいいだけです。
逆に、契約時の見積もりにないものを後で追加すれば、値引きなしの価格で追加されていくことになります。
営業マンは契約を急かしてくるが、十分に考えて決める
営業マンはとにかく営業を急かして迫ってきます。
しかし、十分に検討して考えて契約しないと、あとで多額の追加費用が発生します。
契約のタイミングは慎重に考えてください。
営業マンに迫られて困っている場合は、誰か第三者に相談して意見をきいてください。
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